電流測定器の原理・使い方とは?目的に合った種類を選ぼう!

電流測定器は電流計とも言います。電流を測るための電気計器です。
私たちの生活に必要な電気は、あらゆるところで流れています。
流れている電流の大きさを測定したいときに電流測定器が大活躍するでしょう。
そこで、電流測定器の原理や使い方、用途、価格、選び方など詳しく説明します。
電流測定器について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

  1. 電流測定器の原理
  2. 電流測定器の使い方・用途
  3. 電流測定器の価格・選び方
  4. まとめ

1.電流測定器の原理

電流の測定方法は主に2つあります。
電磁気学にもとづいた方法と電気学の代表的なオーム法則にもとづいた方法です。
それぞれの原理を説明しながら、電流測定器のについての知識を身につけていきましょう。

1-1.電磁気学にもとづいた方法「ダルソンバル検流計」

電流測定器にはさまざまな種類があります。
電流計の1種「ダルソンバル検流計」は、電磁気学にもとづいた方法で電流を測定する原理です。
コイルに電気が流れると指針が円弧を描くようにふれ始めます。
現在、幅広い場所で使用しているダルソンバル検流計は、コイル状の小さなワイヤーが永久磁界内で旋回するような仕組みです。
直流がコイルを流れるとき、コイルは磁界を生み出すでしょう。
そして、発生した磁界が永久磁石に反発します。
反発した結果、コイルがねじれてばねに力が加わって指針が動くのです。
ちなみに、指針は電流を指す目盛りを指しています。
指針のふれかどは電流に比例するでしょう。

1-2.ほとんどの電流計は「オームの法則」

一般的に使用している電流計のほとんどは、「オームの法則」にもとづいています。オームの法則は電気学の基本定理です。
2点の導体間を流れる電気は2点の電位差に正比例、2点の間にある抵抗には反比例する法則になります。
電流をI、2点間の電位差をV、回路パラメーターをRで表しましょう。
すると、I=V/Rがオーム法則の方程式になります。
オーム法則にもとづく原理は、高確度の抵抗を持つのが特徴です。よって、高確度かつ、コスト効率の良い測定ができます。
ただし、オーム法則による測定はできるだけ抵抗を小さくしなければなりません。
なぜなら、既存の回路に与える影響が大きいからです。
原理のメリットだけでなく、デメリットも把握しておきましょう。

1-3.理想は内部抵抗ゼロの電流計

電流計は内部抵抗が少ないほど良いです。
内部抵抗がゼロになると、電流計の内部で電圧降下が起こりません。
電圧降下が起こらなければ、より正確な電流値を示すことが可能です。
しかし、実際の電流計は内部抵抗が発生します。
内部抵抗が起こることで電圧降下が発生して流れる電気も変わるでしょう。
もちろん、性格な電流値の測定ができません。
できるだけ、正確に測定するため理想的な電流計と小さな抵抗値を直列につなぐこともあります。
また、1つの電流計で広範囲の電流を測定するときは「分流器」を設置することが多いです。
分流器は電流計と並列に接続します。
今後も、理想的な電流計に近づけるようさまざまな工夫が出てくるでしょう。

2.電流測定器の使い方・用途

2-1.電流測定器の使い方

電流測定器の使い方はとても簡単です。測定器には2か所の測定回路があります。
それぞれの回路を開いた後、2点間に直列で接続するだけです。
接続すればすぐに電流計の指針が動き出します。
より詳しく説明すると、回路に低抵抗を挿入して両端の抵抗電圧を測定しているのです。
抵抗電圧を測定した結果が電流値になります。
測定範囲が広くなればなるほど、分流器や変流器も使うことになるでしょう。
電流計には直流電流を測定する「直流電流計」、交流電流を測定する「交流電流計」などがあります。
直流電流計の場合、+端子に+極側を、-端子には負荷を直列に接続する使い方になるでしょう。
交流電流計の場合は極性どちらでも可能です。
もし、測定値が不明な場合は1番大きい値の端子から接続してみましょう。
振れ幅が小さい場合は測定端子を接続し直してみてください。

2‐2.電流測定器の用途

電流測定器の使用用途は、主に回路・電子工作・電気工事です。
電気を扱う現場では必要不可欠な機器になります。
電流は大きければ大きいほど、人間の命にもかかわる危険なものです。
電流をきちんと確認しておかなければ大事故につながる恐れがあります。
テスターとも呼んでいる電流計ですが、特に電気工事の現場で活躍しているものです。メーカーや種類によっても使い方や使用用途が異なります。
電流計を使用する前に使う「目的」や「用途」を明確にしなければなりません。
適切な電流計を使うためにも、知識が必要ですね。

3.電流測定器の価格・選び方

3‐1.電流測定器の価格はいくら?

電流測定器を購入するとき、機能や性能はもちろんのこと「価格」が気になりますよね。
できるだけ費用を抑えつつも使用目的に合った種類を選ばなければなりません。
一体、電流測定器の価格はいくらになるのでしょうか。
実際、電流計と言ってもコンパクトな小型サイズから、電気工事で使う本格的なものまで非常に幅広いです。
簡単に持ち運びができるコンパクトサイズは1,000円で購入できます。
一般的な電流計はおよそ4,000円~数万円になるでしょう。
性能・機能が良く、精密性の高い電流計は数十万~数百万円します。
また、アナログ式かデジタル式かによっても値段が変わるようです。
より適切な電流計が選べるよう、さまざまなメーカーを比較してみてください。
新しい電流測定器に買い替えようと思っている人は、古い電流計を買取に出す方法もあります。
買取してもらえるのなら新しく購入する電流計の足しになるでしょう。

3‐2.電流測定器の選び方

電流測定器の選び方は、「アナログ」か、それとも「デジタル」かに注目してください。
アナログとデジタルでは測定値の正確さが変わってきます。
より正確な測定値を示すのはデジタルのほうです。
針式アナログは指針の振れ幅を見ることはできますが、正確さには負けてしまいます。一方、性能面から比較してみると、デジタルのほうがアナログより充実しているのがわかるでしょう。
アナログには「導通ブザー」がついています。
導通ブザーとは、しっかり接続しているかどうか確かめてくれる性能のことです。
アナログは自分の目で確かめなければなりません。
よって、簡単に電流が測定できるのはデジタルになります。
実際は、アナログとデジタル両方を持っている人が多いです。
使用目的に合っているかどうか確かめたうえで選んでくださいね。
最低でも3~4個ほど電流計を比較しましょう。比較することでそれぞれのメリット・デメリットがわかりやすくなります。
ついメリットに注目しがちですが、デメリットを知ることも大切です。

4.まとめ

電流測定器の原理や使い方、用途、価格、選び方について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
電気を取り扱う現場では必要不可欠な機器の1つです。
電流計の原理は構造によってさまざまですが、一般的にはオームの法則にもとづいた電流計を使用しています。
電流計を使うときは、使用上の注意点を必ず確認してくださいね。
使い方を間違ってしまえば、電気が私たちの体に流れてしまいます。
購入するときは、使用目的や性能・機能、価格をメーカーや種類ごとに比較しましょう。
さまざまな電流計を比較すれば適したタイプが選べます。