不用品はリサイクルへ! リサイクルのメリットと回収業者選びのコツ

引っ越しや大掃除をはじめ、日常生活で出る不用品の処分、どうしていますか? 使い捨てから循環型社会への転換が進むいま、不用品はゴミではなくリサイクルすることが求められるようになりました。資源の有効利用を促すために、不用品の処分にはお金がかかるのが現状です。では、少しでも負担なく不用品を処分するにはどうしたらいいのでしょう? ここでは、かしこい不用品のリサイクルについて紹介します。

  1. 不用品リサイクルについて
  2. 不用品リサイクルの注意点
  3. 不用品リサイクルのさまざまな方法
  4. 不用品リサイクルの業者選び
  5. よくある質問

不用品リサイクルについて知ることは、エコな暮らしの第一歩です。正しい知識を身につけて、賢くリサイクルを実践しましょう。

1.不用品リサイクルについて

1-1.循環型社会・日本の、リサイクルの歩み

国土が狭く資源に乏しい日本では、古くから循環型社会が成り立っていました。たとえば、江戸時代には調度品や古着はもちろん、障子紙からふん尿に至るまで、買取業者がいて、リユース、リサイクルのシステムが確立していたのです。

それが近代になり、石油製品など原料の多様化による分別の難しさや使い捨て文化の隆盛により、循環システムが途絶えてしまいました。昭和の高度成長経済の頃には、大量に消費された製品が大量のゴミとなり、焼却と埋め立てによる処理が主流となったのです。不法投棄も増え、ゴミ処理は社会問題化しました。

そこで、限られた資源と環境を守り、持続的な経済成長を促すために生まれたのが、リサイクル法です。平成3年には現在のリサイクル法の元になる「再生資源の利用の促進に関する法律」が制定され、平成13年にはこれを改正し「資源有効利用促進法」として施行されました。

これは、メーカーに対して製造段階から、リユース、リデュース、リサイクルの3Rの実施を義務化したもので、10業種・69品目が指定されています。

一方、消費段階を規制するのはグリーン購入法です。さらに、回収・リサイクル段階では個別の物品に応じて規制されています。それは、包装容器リサイクル法・家電リサイクル法・食品リサイクル法・建設資材リサイクル法・自動車リサイクル法です。

また、平成24年には環境省が主体となって「小型家電リサイクル法」も施行され、消費者も自発的にリサイクルに協力し、再資源化を促進することが求められています。

1-2.リサイクルの必要性と目的

大量生産、大量消費時代によって増え続けたゴミは、その処分に多くの問題を生みました。特に都市部では、処分場不足や最終処分にかかる費用高騰の問題が深刻化しています。そこで、使い捨て社会から循環型への転換が必要とされているのです。リサイクルによって資源の保全や、埋め立てによる土壌の汚染から国土を守ることにもつながります。

リサイクル法の策定によって、メーカー側が循環型社会を意識したものづくりに取り組むようになり、意識改革も進みました。消費者にも「もったいない」精神の復活や、エコを意識した取り組みが広がっています。今後の持続可能な経済の発展のためにも、リサイクルは欠かせないものといえるでしょう。

1-3.リサイクルできる不用品、できない不用品

リサイクル法によってリサイクル回収の対象となる不用品には、前述のとおり、4家電や小型家電、パソコンなどがあります。そのほかの家具や洋服などは法律の対象外ですが、リサイクルショップなどを利用すればリサイクルが可能です。ただし、汚れの激しいものや修理が難しいものなどは、リサイクルできません。

1-4.家電、パソコンはリサイクル対象品

リサイクル品のうち、消費者に最もかかわりが深いのが家電品でしょう。4家電といわれるエアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は、家電リサイクル法でリサイクルが義務付けられています。またパソコンにはリサイクルマークが付けられており、リサイクル法の指定品目のひとつです。こうしたリサイクル法に指定されている品目は、基本的にメーカーに回収の義務があります。自治体の回収に出すことはできないので注意が必要です。

2.不用品リサイクルの注意点

2-1.仕分け、作業の大変さ

「混ぜればゴミ、分ければ資源」といわれるように、不用品をリサイクルする場合は正しい分別が必要です。しかし、いざ自分で分別しようとしても、複雑なリサイクル法や自治体により異なる基準があり、どのように仕分けていいかわからないケースが多いことでしょう。また、引っ越しなどで大量の不用品が出た場合や、大型家具・家電などは、自力で作業するのは困難な場合もあります。

2-2.自治体によって異なるルール

自治体でも資源物の回収を行っていますが、地域によりルールが異なるため注意が必要です。特に引っ越しのときなど、移転先での不用品回収の方法に戸惑うことも多いでしょう。回収する品目や回収方法もさまざまです。たとえば、ある自治体では回収申し込み後にコンビニなどで処分料を払い、リサイクルシールを貼る方法を採用しています。電話で回収を依頼し、番号を発行してもらって自分で紙に書いて貼る自治体もあるようです。自分の住んでいる地域のルールをよく確認しておきましょう。

2-3.不法投棄や悪徳業者など

ほとんどのリサイクル業者は善良な業者ですが、なかには悪徳業者もいます。たとえば、無料回収といっておきながら、運搬料や出張費などの名目で高額を請求するのです。また、無料で回収した後、お金になる部品だけを取って、あとは不法投棄する業者もあります。

2-4.有料処分になりうるもの

リサイクル業者で買取ができないものは、お金を払って処分することになります。パソコンはPCリサイクルマークがついているものはメーカーが無償で回収しますが、マークがないものは回収再資源化料金が必要です。また、4家電は家電リサイクル料金がかかります。ほかにも、自治体回収の粗大ゴミや、一般廃棄物回収業者による不用品回収は、基本的にすべて有料です。

2-5.そのほか、注意点

地域の回収に出す場合は、ルールを守らないと回収してもらえないことがあるので、注意が必要です。また、悪徳業者にだまされないよう、気をつけましょう。ゴミの処分をするには一般廃棄物の許可が、買取業者の場合は古物商の許可が必要です。会社情報やチラシなどをよく確認しましょう。

3.自力では限界あり?不用品リサイクルのさまざまな方法

3-1.自宅でできるリサイクル

不用品を回収に出す前に、自宅でリサイクルできないか考えてみましょう。一番手軽なのは、布や紙を再利用することです。着なくなった服はリメイクしたり、小さく切って掃除に使ったりできます。包装紙や紙箱などはラッピング用に活用する、新聞紙は窓磨きに使うなど、工夫次第でいろいろと活用してみましょう。

3-2.自治体、リサイクルショップ、ネットオークションでリサイクル

自治体

自力でリサイクルする身近な方法は、自治体の不用品回収を利用するものです。粗大ゴミは処分料を払って回収してもらいます。小型家電の回収は無料です。自治体によってボックス回収、ステーション回収などがあります。いずれも自分で運搬しなければなりません。

リサイクルショップ

家具や家電などで状態のいいものなら、リサイクルショップの買取を利用することもできます。近くにリサイクルショップがある場合は持ち込みましょう。出張買取に対応しているショップもありますが、出張費・見積費などを請求されることがあります。

ネットオークション

自宅に居ながらリサイクルしたいなら、ネットオークションやフリマアプリを使う方法があります。出品しても落札されるとは限らないので、処分を急がない場合には利用してもいいでしょう。写真撮影、画像のアップロード、配送など、自分でやらなければならないので、手間がかかるのが難点です。入金のトラブルにも気をつけましょう。

3-3.業者に頼む場合

自分でリサイクルに出す時間がない、体力に自信がない、面倒だという場合には、専門の業者に依頼すると便利です。ただし、軽トラックなどで拡声器を使い「不用品を回収します」と辻々を回ってくる回収業者もいます。こうした業者は無料回収をうたっていますが、実際には無料で回収できる品目は限られているため、引き取ってもらいたいものをすべて無料で処分できるわけではありません。自分の要求に合った業者を選ぶことが大切です。

3-4.トラブルに注意

前述のとおり、無料回収をうたう業者でも、品目によっては後から回収代金を請求されることもあります。また、ネットオークションでの入金のトラブル、配送での破損などにも気をつけましょう。

4.不用品リサイクルの業者選び

4-1.プロに頼むメリット

不用品を自力でリサイクルするには、分別や運搬など手間や労力がかかって大変です。信頼できるプロに依頼することで、面倒な作業をすべて任せることができ、確実に不用品をリサイクルすることができます。

4-2.業者選びのポイント

信頼できる業者を選ぶために以下の点に気をつけましょう。まずは見積もりや電話応対など、対応がていねいかどうかチェックします。また、急な依頼にも対応してくれたり、出張費・査定費を無料に設定している業者なら良心的です。

高価買取をうたう業者はたくさんありますが、高額査定の根拠を示している業者を選びましょう。たとえば再販売のための独自経路を持っている業者や、自社輸送システムや作業時間の効率化によりコストダウンに取り組んでいるなど、企業努力している業者なら安心です。

4-3.業者に頼むときのコツ

出張買取してくれる業者を選ぶことで、自宅に居ながらにして不用品の処分ができます。出張買取ならその場で査定・見積もりをしてもらうことができ、買取価格に納得した場合だけ依頼することができるため、持ち込みや郵送に比べて手間がかかりません。

4-4.買取方法の種類

4-4-1.出張買取

出張エリアに該当しており、大型の家具・家電や大量のものを処分したい場合には一番おすすめの方法です。自分の都合のいい日を予約することができます。

4-4-2.郵送買取

メールによる無料見積もりに対応している業者であれば、郵送する前に概算の見積もりをしてもらうことができます。写真を添付して、メーカーや型番・材質・大きさ・キズの程度などを伝えて大まかな見積金額を出してもらいましょう。

4-4-3.持込買取

リサイクル業者が近所にある場合や、処分したい不用品の点数が少ない場合は、持込買取がおすすめです。事前に申し込みをしましょう。

5.不用品リサイクルに関するよくある質問

Q:ブランド家具を処分したいのですが、価値を正当に査定してもらえるのでしょうか?
A:ブランド家具に疎い業者だと、普通の家具と同等の査定金額になる可能性があります。ブランド家具に詳しい業者への査定依頼がおすすめです。

Q:不用品回収の業者に買取も依頼することができますか?
A:不用品の買取には古物商の許可が必要です。認可を受けている業者なら買取ができます。

Q:買取価格がつかなかった不用品はどのように処分すればいいですか?
A:自治体の回収に出すか、廃棄物処分の業者に依頼して処分してもらいます。いずれも処分費用が必要です。

Q:査定金額に納得できないときはどうすればいいですか?
A:金額が気に入らない場合はもちろん断ることができます。

まとめ

不用品をリサイクルすることで、家もすっきり片付いて環境保護にも貢献できます。自分でリサイクルする方法から業者に任せる方法まで、さまざまな中から自分に合った方法を選び、時にはプロの手をうまく活用して、エコな暮らしを始めましょう。