賃貸物件で遺品整理を行う人必見! 片付けのコツや役立つ業者を解説
今、親の家や兄弟の家の遺品整理に悩む人が増えています。特に、故人が賃貸物件に住んでいる場合は、遺品整理を行う時間にも限りがあり、何から手をつけたらいいか分からないと悩む人もいるでしょう。
そこで、今回は賃貸物件の遺品整理を効率よく行うコツなどを解説します。
この記事を読めば、片付けの手順や遺品を処分する際の注意点についてもよく分かるでしょう。賃貸物件の遺品整理について知りたい人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.賃貸物件と持ち家で遺品整理を行う際の違い
持ち家で遺品整理を行う場合、基本的に時間制限はありません。遺族のペースで遺品整理を進めることができます。一方、賃貸物件は住人が大家や管理会社と賃貸借契約を結んで借りている物件です。そのため、借主が亡くなった場合は相続人が借り続けるか、退去するかを選ばなくてはなりません。民法によると、借主が亡くなった場合は相続人が資産の1つとして物件を借り続けることはできます。しかし、毎月数万円の家賃を払い続けるのは大変です。そのため、借主が亡くなったら契約を解除するケースが大半で、遺品整理も退去日までに完了しなければなりません。つまり、賃貸物件で遺品整理を行う場合、効率的に行うことが大切です。
2.賃貸物件で遺品整理をスムーズに行う方法
この項では、賃貸物件で遺品整理をスムーズに行う方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。
2-1.はじめに行うこと
賃借物件で遺品整理を行うことになったら、まず以下のようなことを確認します。
- 賃貸借契約の内容:家に住み始めた時期、退去する際の決まりごと、敷金・礼金の有無などを確認
- 部屋の状態:普通の掃除でいいのか、特殊清掃が必要なのかなど
賃貸借契約のことで分からないことがある場合は、大家や管理会社と話し合いの場を持ちましょう。その際、退去の日にちや原状回復の程度などを取り決め、必要ならば録音をしたり文書に書き起こしたりしてください。
2-2.特殊清掃を依頼する
故人が孤独死をしており部屋がひどく汚れている場合は、特殊清掃を行う必要があります。特殊清掃とは、部屋に残された遺体の痕跡(こんせき)を取り除き、部屋の原状回復を行う清掃です。遺体の痕跡が残った布団や家具、掃除に使用したぞうきんなどは、一般的なゴミとして自治体に回収してもらうことはできません。また、個人では孤独死現場の原状回復は難しいでしょう。今は、インターネットを利用すれば、特殊清掃を行ってくれる業者がすぐに見つかります。可能な限り早めに依頼してください。特殊清掃の費用は、数万円~が相場です。
2-3.遺品整理の計画を立てる
賃貸物件で遺品整理を行う場合、できるだけ人数を集めて行いましょう。人数を集めるほど、不用品の片付けや遺品の分別などが効率よく行えます。また、日数をかけて行うより日を決めて一気に行ったほうが、片付ける人も時間の都合がつけやすいでしょう。遺品整理を行う前に、以下のことを確認しておきましょう。
- ゴミの分別方法
- 自治体の処理場へゴミを自分で持ち込むことが可能か
- 遺品の保管場所(トランクルームなどを借りてもよい)
- 遺品整理に参加できる人数
また、遺品整理を行う前に貯金通帳・現金・保険の契約書など貴重品を探し出し、別に取っておきます。
2-4.遺品整理を自分で行う方法
遺品整理を自分たちの手で行う場合は、以下のような手順で行いましょう。
- 必要な道具を用意する:ゴミ袋・軍手・ゴム手袋・掃除用具など
- 手分けして、不用品と取っておく遺品を分別する
- 不用品を自治体のゴミ捨てルールに沿って分別する
- 不用品を捨てる(可能ならば、ゴミ処理場へ自分たちで持ち込む)
- 取っておく遺品を保管場所へ移動する
- 掃除
なお、テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機・デスクトップパソコンはゴミとして自治体に回収してもらうことはできません。家電リサイクル法やPCリサイクル法に従い、家電メーカーやパソコンメーカーに回収してもらいましょう。
2-5.自分で遺品整理を行う際の注意点
前述したように、テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機は郵便局でリサイクル券を購入し、家電量販店に回収してもらいます。パソコンは、2003年以降に製造され、PCリサイクルマークがはってある製品ならばメーカーが無料で回収してくれるため、まずはメーカーのホームページを確認してください。また、粗大ゴミは自治体によっては回収費用がかかります。ゴミの分別が遺品整理では最も手間取ることです。ですから、ゴミ処分場に自分で持ち込んだり、不用品回収業者を利用してもいいでしょう。
3.遺品整理業者に遺品整理を依頼する方法
この項では、遺品整理の専門業者に遺品整理を依頼する方法やメリットを解説します。
3-1.遺品整理業者とは何か
遺品整理業者とは、有料で遺品の整理や不用品回収・部屋の掃除を行ってくれる業者です。業者によっては特殊清掃・不用品の買取を行っているところもあります。遺品整理に悩む人が増えるにつれ、遺品整理業者も増えてきました。遺品整理業者は、遺品整理専門に行うところと、不用品回収業者が業務の一環として遺品整理を行っているところがあります。
3-2.遺品整理業者に依頼するメリット
前項でご紹介したように、自分たちで遺品整理を行うにはゴミ分別の手間や、遺品を運び出す手間などがかかります。部屋の広さや遺品の量によっては、数人がかりでも手におえないこともあるでしょう。遺品整理業者に依頼すれば、ゴミ屋敷、汚部屋(おべや)と呼ばれるような状態の部屋でも、1日で片付けることができます。遺品整理の人手が集められなかったという場合や、遺品が多すぎて個人では片付けられない場合は、利用してみましょう。
3-3.遺品整理業者の相場や依頼方法
遺品整理業者は、インターネットを利用して探しましょう。不用品回収業者が遺品整理業を行っているところなら、「遺品整理は自分で行うので、不用品の回収だけしてほしい」という依頼もできます。遺品整理の費用は、部屋の広さや遺品の量によって異なるので、まずは見積書を作成してもらいましょう。複数の業者に見積もりを依頼し、費用を比較してもいいですね。見積書を丁寧に作っている業者や、依頼者の質問に快く答えてくれる業者ならば、信頼できます。
3-4.遺品整理業者に依頼する際の注意点
遺品整理業者は、業者ごとに提供するサービス内容が異なります。自分が求めるサービスを行ってくれる業者に依頼してください。また、業者によって立ち会いが必要なところと必要でないところがあります。遺品整理に立ち会えない場合は、立ち会い不要の業者に依頼しましょう。
4.賃貸の遺品整理に関するよくある質問
Q.遺品整理業者には、家電リサイクル対象家電やパソコンを回収してもらうことはできますか?
A.はい。回収品目にこれらが含まれていれば、回収依頼ができます。
Q.遺産放棄をしたのですが、遺品整理を行わなければなりませんか?
A.遺産放棄をしたならば、基本的に遺品整理をする必要はなくなります。ただし、賃貸物件の保証人になっている場合は保証人として遺品整理や部屋を原状回復する義務があるので、注意してください。
Q.仏壇や神棚といった宗教用具はどうやって処分したらいいでしょうか?
A.菩提寺(ぼだいじ)や氏子になっている神社に相談し、御霊抜き(みたまぬき)を行ったり、ご神体を返上したりしたうえで処分します。時間がないという場合は、遺品整理業者に相談しましょう。
Q.孤独死してすぐ発見された場合、特殊清掃は必要ありませんか?
A.床や壁等に遺体の痕跡が残っていなければ大丈夫です。
Q.遺品整理は、何人くらいで行えばいいでしょうか?
A.最低でも3人以上で行い、可能ならばワゴンタイプの車を用意してください。
まとめ
いかがでしたか? 今回は賃貸物件で遺品整理を行う方法や注意点を解説しました。人が亡くなるとやることがたくさんあり、遺品整理までなかなか手が回りません。費用はかかりますが、賃貸物件の場合は遺品整理業者に依頼したほうがスムーズに行えるケースも多いでしょう。