風呂の天井に生えたカビを落としたい! 未然にカビを防ぐポイントも!
風呂場は湿気が溜(た)まりやすく、石けんカスや皮脂汚れなどカビのエサがたくさん潜んでいます。掃除を怠ると、すぐに黒い点々ができ、どんどんカビが繁殖してしまうでしょう。特に、天井は掃除しにくく頻繁に掃除する場所でもないため、いつの間にあホコリが溜まってしまいます。掃除を怠った結果、カビができ、頑固な汚れになる可能性があるのです。
本記事では、風呂の天井にカビが生える原因・落とし方・予防法について解説します。
この記事を読むことで、風呂の天井にカビが発生したときの対処法と予防法が分かります。気になっている方や悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。
1.風呂の天井にカビが生える原因は?
カビをスムーズに落とすため、風呂の天井に生える原因をしっかり確認しておきましょう。
1-1.天井は目に見えないカビの原因菌が潜んでいる?
風呂場はカビの温床ですが、中でも原因菌が潜んでいるのが天井です。目に見えないカビの原因菌がたくさん潜んでおり、上から風呂全体にカビの胞子をばらまいています。壁についた黒カビを落としても次々と出てくるのは、天井のカビ菌が除去しきれていないからなのです。つまり、天井のカビを除去さえすれば、壁のカビの発生を防ぐことができます。
1-2.主な原因は「湿気」と「水」
風呂の天井だけでなく、壁や床の間を埋めるシリコーンの部分・ドアのパッキン・窓の周辺・浴槽のフタなどにカビが発生しやすい傾向があります。これらの場所は、「水が溜まりやすい」と言う共通点があり、水や湿気はカビの主な原因です。天井は湯気や蒸気が上に溜まる場所なので、水滴が生まれ、カビが生えやすい環境になっているため、きちんと換気し乾燥させなければなりません。
1-3.カビ繁殖につながるエサ
カビは汚れやホコリなどをエサにして、どんどん繁殖します。浴室の天井は掃除がしにくいので、掃除を忘れがちです。その結果、カビのエサを放置し増殖することになります。天井の汚れが頑固になると落としにくくなるため、できるだけ早めに掃除することも大切ですね。
1-4.室温の高さ
カビが生えやすい条件は、多湿で高温な環境です。浴室は、常に湿気があり、室温が高い状態なので、どんどんカビが増えていきます。一般的に、カビは通常0~40℃の範囲で発生し、人間が快適に感じる20~30℃が繁殖しやすい温度です。
また、湿度80%以上で活発に繁殖し、60%以下でも生える可能性があります。さらに、浴室はカビが大好物な石けんカスなどの汚れが溜まりやすいので、掃除を放置すると、どんどんカビが繁殖するのです。
2.風呂の天井のカビを落とす方法は?
では、風呂の天井に発生したカビは、どのような方法で落とすことができるのでしょうか。
2-1.落とす前に準備しよう!
まず、天井のカビを落とす前に「換気」をしましょう。浴室が濡(ぬ)れていると、洗剤の効果が薄れてしまうので換気をし乾燥した状態で掃除を始めなければなりません。また、使用する洗剤のにおいや成分が、体に悪影響をおよぼすことがあります。自分の身を守るためにも、換気扇や窓を開けて風通りをよくすることが大切です。
また、洗剤が上から落ちてきても大丈夫な格好をしてください。天井は高い位置にあるため、安定性のある足場を用意するのも重要なポイントです。
2-2.用意するもの
風呂の天井のカビ取りに必要なものは、以下のとおりです。
- カビ取り用洗剤(市販の塩素系洗剤・消毒用エタノールなど)
- フロアワイパー
- ドライシート(洗剤をつける用とから拭き用の2種類)
- 安定性のある踏み台
- 重曹水(水100ml:重曹大さじ1)、セスキ炭酸ソーダ水(水500ml:セスキ小さじ1)
- ゴム手袋、レインコート、帽子、ゴーグル、マスクなど(体や顔を洗剤から守るもの)
最低でも、上記のアイテムを用意するとよいでしょう。カビの掃除には、市販の塩素系洗剤を使用するのが一般的ですが、効果が高い反面強力で、体についたときの危険度が高めです。不安な方はレインコート等で体を保護するか、別の洗剤を使ってください。安全性を考えると、消毒用エタノール・重曹水・セスキ炭酸ソーダ水がおすすめです。ただし、消毒用エタノールには漂白作用がありません。頑固な黒カビが発生している場合は、塩素系漂白剤の使用をおすすめします。
2-3.主な手順をチェック!
必要なものが用意できたら、以下の手順で天井のカビを掃除していきましょう。
- フロアワイパーにドライシートを取りつけ、シートに洗剤を染みこませる
- フロアワイパーで天井にまんべんなく洗剤を塗りつけた後、5~10分程度放置する
- 放置後、シャワーで軽く洗剤と汚れを洗い落とす
- 落としきれなかった汚れは、フロアワイパーで軽くこすって落とす
- フロアワイパーに新しいドライシートを装着し、天井の水気を拭き取る
- 最後に、換気扇をまわしたり窓や扉を開けたりするなどして、しっかり乾かして完了
天井の掃除は液だれがひどくなりがちなので、直接洗剤を吹きつけないように注意してください。液だれが心配な方は、ジェルタイプの洗剤がおすすめです。また、気になる掃除の頻度ですが、最低でも1か月に1度の掃除を心がけましょう。1か月に1度の頻度で掃除を行えば、カビの防止につながります。
2-4.落とし方のポイントは?
カビ取りといえば、塩素系洗剤を使う家庭が多いですが、水洗いでカビを落とせる場合があります。たとえば、生まれたばかりのカビは根が張っていないので、水洗いで落とせる可能性が高いのです。そのため、最初から洗剤を使うのではなく、まずは水洗いをおすすめします。そして、水洗いの後に乾燥させてから、フロアワイパー等に洗剤を染みこませ、天井を拭きましょう。汚れがなかなか落ちないときは、10~20分と放置する時間を延ばすのがポイントです。
2-5.風呂の足場は安全を確保する
絶対に気をつけてほしいのが、「足場の安全」です。風呂の天井まで直接手が届かない方がほとんどでしょう。その際、足場を用意するかと思いますが、安定性のあるものを選んでください。風呂用のイスを足場に使うのはNGです。すべりやすく、大ケガをするおそれがあります。しっかりと安全が確保できるイスを使用してください。
ほかにも、天井をゴシゴシこすって洗う行為はNGです。特に、塩素系洗剤を使用してゴシゴシこすると、浴室を傷めるおそれがあります。力を入れずに、軽くこするように心がけてくださいね。
2-6.浴室乾燥機のカバー・フィルターも掃除する
定期的に浴室の天井を掃除する際は、あわせて浴室乾燥機のカバーとフィルターも掃除してください。浴室乾燥機はカビの温床になりやすいので、定期的な掃除が必要です。以下の手順で掃除してください。
- 外側カバーを外す前に掃除機でホコリを吸い取る
- 外側カバーとフィルターを外した後、外側カバーを水で薄めた中性洗剤に浸したぞうきんで軽く拭く
- 洗剤成分をすべて拭き取るために水拭きし、仕上げにから拭きをする
- ルーバー部分も水で薄めた中性洗剤を浸したぞうきんで拭き、洗剤が残らないように乾いた柔らかい布で拭き取る
- 外したフィルターのホコリを掃除機で吸い取った後、中性洗剤を薄めたお湯の中に浸けて軽く洗い、お湯で洗剤を洗い流してからよく乾かす
3.風呂の天井のカビを予防する方法は?
天井のカビをきちんと取りのぞいた後は、再度発生しないための対策を施すことが大切です。ここでは、風呂の天井のカビを予防する方法を紹介していきます。
3-1.常に換気を心がける
風呂を使用した後、換気扇をつけたり窓を開けたりして換気をしているでしょうか。入浴後は高温多湿な環境になっているので、必ず換気扇をまわし新しい空気を取り入れてください。浴室を完全に乾燥させたつもりでも、空気中には湿気が漂っています。
入浴後は、湿度・温度が上昇するため、常に換気扇をまわしておくことがポイントです。できれば、24時間つけっぱなしにしたり、窓を開けたままにしておきましょう。電気代が気になるかもしれませんが、1日中まわしても月々数十~数百円しかかかりません。カビの発生を抑えられるなら安いほうでしょう。
3-2.防カビ用の燻煙剤を使う
防カビ用としてさまざまなグッズが発売されていますが、中でもおすすめしたいのが「燻煙剤」です。燻煙剤は水を入れて床に置くだけで、殺菌成分が含まれる煙がもくもくと出てきます。燻煙剤には、人体に健康被害をおよぼす成分は含まれていないので、洗面器などは置いたままで大丈夫です。ただし、カビ取りに効果はないので、【2.風呂の天井のカビを落とす方法は?】で説明したとおりに掃除を行ってから使用してください。2か月に1度程度使用すれば、カビの発生率を最小限に抑えることができるでしょう。
3-3.カビが生える条件を作らない
カビが生える条件は、「温度20~30℃」「湿度70%以上」「皮脂や石けんカスなどの栄養分」という3つの条件があります。これらがそろう環境はカビの温床になるので、条件がそろわないような工夫を施すことが大切です。たとえば、温度を下げるため、風呂上りに壁や床を水のシャワーで流す方法があります。ほかにも、以下の内容を心がけておきましょう。
- 風呂が乾燥するまでしっかりと換気する
- 風呂上がりにタオルで水を拭き取る、またはスクイージーで水を切る
- 浴槽のお湯を残すときはフタをする
- 風呂上りに壁や床についた石けんカスなどを洗い流す
3-4.使用後に掃除する
浴室は、皮脂汚れや石けんカスなど、カビの栄養素となるものがたくさん付着しています。使用後に必ず洗い流すのはもちろんのこと、できれば毎日「風呂を使用した後は掃除する」という習慣を身につけましょう。前述したとおり、フロアワイパーを使用すれば使用後でもサッと掃除できます。
4.風呂の天井のカビに関してよくある質問
風呂の天井のカビに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.どうしてもカビが落ちない場合の対処法は?
A.どんな方法を試してもなかなかカビが落ちないときは、プロの清掃業者に浴室クリーニングを依頼すると良いでしょう。ただし、費用が数万円程度かかる可能性があるため、事前に無料見積もりを依頼し、サービス内容を確認しましょう。
Q.カビを増やすNG行為は?
A.使用後に換気をしない・使用後に掃除をしないなどです。忙しく掃除ができない場合は、シャワーで浴槽や壁などを洗い流すだけでも浴室の温度を下げたり、壁についた石けんカスなどを落とすことができます。また、浴槽にお湯がある場合は、きちんとフタをして湯気や蒸気がしないようにしてください。ちょっとした作業でも毎日の積み重ねが大切なのです。
Q.消毒用エタノールを使用する際のポイント、注意点は?
A.消毒用エタノールはカビ防止に効果があるため、まずは浴室を専用の洗剤でキレイにしてから消毒用エタノールを吹きかけてください。エタノールは揮発性に優れているため、拭き取る必要がありません。しかし、引火性が高い液体なので、火の気のある場所では絶対に使用しないでください。すでに、黒カビができてしまったときには、カビ取り剤で除去してから消毒用エタノールを使用します。
Q.壁よりも天井のほうを先に掃除したほうがいいのか?
A.浴室掃除は、まず天井のカビ取りから行ったほうがベストです。カビの原因となる胞子は、天井からばらまかれるため、先に壁や床をキレイにしても天井のカビが繁殖し汚れてしまいます。先に、天井のカビ取りから行うことで効率がよくなり、浴室を素早くキレイにできるでしょう。
Q.セスキ炭酸ソーダの効果が知りたい
A.家庭用洗剤や入浴剤に含まれている成分で、重曹より水に溶けやすく、洗浄力のある天然洗剤といわれています。キッチンの油汚れ・皮脂汚れ・血液・ドアノブやスイッチなど手垢汚れに効果を発揮するでしょう。しかし、重曹よりもアルカリ度が高いので、肌が弱い人が使うと手荒れする可能性があります。心配な方はゴム手袋などできちんと皮膚を保護してから使いましょう。
まとめ
風呂の天井カビを取りのぞくのは大変と思われがちですが、できたばかりの頃にすぐ対処すれば、自宅にある洗剤等で落とすことができます。大切なのは放置せず、早めにカビを除去することなのです。そして、除去した後はこまめに掃除し、再びカビが発生しないための防止策を施しておきましょう。ただし、風呂場は滑りやすく、天井は掃除が大変なので無理にすることはありません。ケガをするおそれもあるため、不安な方はプロに依頼してください。