片付けができる子供にするには? 片付けやすい部屋作りのポイントも
「子供が片付けをしない」「どうしたら片付ける習慣が身につくのか?」という悩み、よく分かります。「小さいうちはまだ無理だろう」と思い、子供が使ったおもちゃや文房具・本などを大人が片付けている家庭は多いでしょう。そのことが当たり前になると、自分で片付ける習慣が身につかず、片付けができないまま成長してしまう可能性があります。そうならないために、子供に片付けのコツや具体的な方法を教える必要があるのです。
この記事では、子供に片付けをさせる方法や片付けたくなる部屋作りのポイントを詳しくご紹介しましょう。
この記事を読むことで、子供に片付けをさせるための声のかけ方や片付けの工夫・注意点などが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.子供に片付けをさせるコツは?
まずは、片付けの効果や子供に片付けをしつけ始める時期・片付けさせるためのコツをご紹介しましょう。
1-1.片付けは成長過程で重要な役割を持つ
片付けは、子供の成長過程において非常に重要な役割を持ちます。小さいうちから自分で片付けることを習慣づけておくことで、「快適に生活するためには片付けが必要」ということが自然と理解できるようになるでしょう。また、自分の持ちものを把握できるようになり、自分にとって必要なものと不要なものを判断する力も身につきます。そして、「片付けられる大人」へと成長することができるはずです。
1-2.片付けは1歳前後から教えられる
親が言っている意味が理解できるようになってくるのは1歳前後です。実は、このころになると片付けを教え始めることができます。もちろん、最初は大人と一緒に片付けることが必要です。「このおもちゃは使い終わったらここに入れる」ということを早いうちから教えておくことで、片付けが習慣化しやすいでしょう。
1-3.コツは「しかけ」と「声のかけ方」
片付けができる子供に育てるには、いくつかコツが必要です。まず、「しかけ」を用意しましょう。たとえば、「青いおもちゃは青い箱に、赤いおもちゃは赤い箱に片付ける」というように、子供にも分かりやすくものの定位置を決めます。そのほかにも、片付け表を作って片付けができたらシールを貼っていくなど、遊び感覚を取り入れるのもおすすめです。
また、片付けの習慣が身につくまでは、根気よく声かけをしましょう。「片付けないなら捨てる」などのネガティブな発言は厳禁です。できるだけポジティブに、「片付けてくれたらうれしいな」「片付けが終わったら一緒におやつを食べようね」などと、優しく声をかけてあげてください。
2.子供に片付けをさせる方法~幼児の場合
子供がまだ幼児の場合、片付けをさせる方法やポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。
2-1.片付け始める時間を伝えておく
片付け始める時間を事前に決めて子供に伝えておきましょう。遊んでいる途中で突然片付けるように言われると、誰でもよい気持ちはしません。子供としても反発したくなるはずです。「時計の針がここまで来たら片付け始める」ということを伝えておけば、心構えができるのではないでしょうか。
2-2.フタのないおもちゃ箱を用意する
おもちゃ箱はフタのないものを用意しましょう。小さな子供にとって大切なのは、「簡単に片付けられること」です。フタの開け閉めは子供にしてみれば面倒な作業であり、片付けに複雑さを感じてしまいます。おもちゃ箱に入れるだけで完了するような簡単な片付けであれば、小さな子供でも抵抗なくできるでしょう。
2-3.片付けができたら思いきりほめる
片付けができたら、大人が思いきりほめてあげることも大切です。そうすることで、「片付けはよいこと」「片付けをすると大人が喜んでくれる」ということが分かってきます。「またほめられたい」という思いから、進んで片付けをするようになる子も多いでしょう。
2-4.「一人でできた」という自信をつけさせる
「一人でおもちゃを片付けられた」という自信をつけさせることで、次につながります。親に言われなくても片付けができたときは、そのことに気付いてあげましょう。そして、「一人でできたね」とほめてあげてください。
3.子供に片付けをさせる方法~小学生以上の場合
次に、子供が小学生以上の場合、片付けをさせる方法やポイントをご紹介します。
3-1.プリント類は平積みにしない
プリント類は平積みにしないのがポイントです。小学生になると急に増えるのが、プリント類でしょう。学校から持ち帰ったプリントや宿題・図工の作品などを、とりあえず机の上に平積みしてしまう子が多いと思います。いつの間にかプリントがたまってしまい、必要なプリントがどこにあるか見つけられなくなるのです。そこで、いくつかファイルボックスを用意し、プリントを立てて収納するようにしましょう。「明日学校に持っていくもの」「今後も使うもの」「使わないけれど思い出として保管するもの」というように分けて保管できるようにするのがおすすめです。
3-2.「片付けると自分が得をする」ということを理解させる
「片付けをすると自分にとって得」ということを理解させることも大切です。小学生以上になると、片付けに対してネガティブな感情を持つ子供がほとんどでしょう。「面倒」「やりたくない」「でも、やらないと叱られる」というように、苦手意識を持っている子供ばかりです。そこで、片付けには「失くしものがなくなること」「使いやすい部屋になること」「いつでも友達を呼べること」など、メリットがたくさんあることを教えてあげましょう。「自分が得をするために片付けをする」と思えば、片付けに対する抵抗感も減るはずです。
3-3.自分で管理しやすいように、ものを減らす
ものが多いと片付けるのが大変です。自分のものを自分で管理しやすくするように、ものを減らしましょう。ものが減ることで、何が必要で何が不要かを簡単に見極められるようになります。自分で持ちものを管理できるようになれば、部屋や机が散らかるのを防ぐことができるでしょう。
3-4.親が片付け魔にならない
親が片付け魔にならないことも大切です。親が片付け上手だと、子供もそうなると思っている人が多いでしょう。しかし、意外とそうではありません。散らかるとすぐ親が片付けてしまうため、子供は「きっと親がやってくれる」と思うようになるのです。「散らかっていると落ち着かない」という気持ちは分かりますが、子供のスペースだけは手を出さないようにしましょう。
4.子供が片付けたくなる部屋作りのポイント5つ
子供が片付けたくなる環境を作り出すことも大切です。片付けやすい部屋作りのポイントをご紹介しましょう。
4-1.見える収納で片付け先を分かりやすくする
何をどこに片付ければよいのかを子供が一目で分かるようにするには、見える収納がおすすめです。本の表紙が見えるラックや、中身が見えるタイプの収納カゴなどを活用すれば、何をどこに片付ければよいのかすぐ分かります。
4-2.ものの定位置を決めてラベルを貼る
すべてのものの定位置を決め、ラベリングする方法もおすすめです。字を読むことができない小さな子供には、分かりやすくイラストを描いてあげるとよいでしょう。この方法なら、中身が見えないタイプの収納ケースでも、何をどこに片付ければよいのかすぐ分かるはずです。
4-3.秘密基地風にして遊び心をくすぐる
子供は秘密基地が大好きです。まるで秘密基地のようなキッズスペースを作り、そこにものを収納するようにするのもよいでしょう。遊び心がくすぐられ、楽しんで片付けができるようになるはずです。
4-4.子供が好む収納家具を置く
子供が好む収納家具を置いて片付けのモチベーションを上げましょう。男の子と女の子では好みも異なるため、それぞれの好みに合わせた専用の収納家具を用意するのがおすすめです。好きなキャラクターが描かれたものや、シールやテープなどで飾ったものでもよいでしょう。
4-5.グッズを活用する
子供が使いやすいグッズを活用する方法もおすすめです。組み合わせによって形を変えられるカラーボックスや、キャスターつきの木箱・表紙を見せて収納できる本棚など、さまざまなものがあります。グッズを選ぶ際のポイントは、子供の目線になることです。子供が使いやすいかどうかを最優先に考え、背が高すぎるもの・開けにくいフタがついているものなどは避けたほうがよいでしょう。
5.子供の片付けに関するよくある質問
「子供に片付けをさせる方法を知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.「片付けないなら捨てる」と言っても効果がありません。どうしたらよいでしょうか?
A.結局は捨てないことを子供も分かっているので、ただの脅し文句でしかありません。本当に捨てるのは親御さんとしても難しいと思うので、片付けなければ一定期間使用禁止にするなど、実現可能なものに変えてみてはいかがでしょうか。
Q.子供がなかなか片付けないのでイライラしてしまいます。どうすればイライラせずに済むでしょうか?
A.子供が片付けの習慣を身につけるまでは、想像以上の時間がかかります。「今すぐ片付けができる子供になってほしい」という考えはやめ、根気よく教えていくつもりでいましょう。
Q.子供が幼稚園で作った立体作品はどうすればスッキリ片付けられますか?
A.ある程度の期間だけ飾って楽しみ、あとは写真に撮って処分しましょう。子供と一緒に撮影すれば、よい思い出として残すことができます。
Q.子供のものを収納する場所は、どうやって決めればよいですか?
A.子供の生活パターンを考えた上で、使う場所の近くに収納するようにしましょう。また、大人が勝手に決めるのではなく、子供の意見も取り入れながら一緒に決めていくのがおすすめです。
Q.勉強机の引き出しはどう片付ければよいでしょうか?
A.いったんすべてのものを取り出し、必要なものと不要なものを仕分けしてください。不要なものは処分し、残すものを仕切り箱を使って種類別に収納していきましょう。
まとめ
子供に片付けをさせるコツや注意点・片付けやすい部屋作りのポイントなどを詳しくご紹介しました。自分で片付けができる子供に育てるためには、片付けに対する苦手意識をなくすことが大切です。「こうすれば楽に片付けができる」「楽しく片付けをするにはどうしたらよいのか?」など、お子さんと話し合いながら決めていってはいかがでしょうか。