実家の片付け問題とは? 親の家を片付ける方法とコツについて
親が亡くなったり、実家に誰も住む人がいなくなったりすると、たちまち家の中がごちゃごちゃになってしまいます。置いているものからホコリがたまりやすくなり、汚物・汚臭などで近所トラブルに発展する恐れが出てくるでしょう。また、火事や盗難被害にあう可能性もあります。できるだけ、早めに親の家を片付けなければなりません。しかし、どうすれば片付けられるのか、大量の不用品はどうやって処分すべきかなどの問題が多数出てくるでしょう。そこで、本記事では、実家の片付け問題や片付けの必要性・片付け方・業者選びのポイントなどについて詳しく説明します。
この記事を読むことで、ものであふれている実家をスムーズに片付けるために必要な知識を身につけることができます。片付けに困っている方はぜひチェックしてください。
1.実家の片付け問題とは
実家の片付け問題は深刻です。親の家の片付けに悩む人が急増しており、悩んでいるのは決してあなただけではありません。問題を解決するためにも、現状や発生原因などについて詳しく見ていきましょう。
1-1.実家の片付け問題の現状
現在、親元を離れて遠い地で生活している方が多いといわれています。就職先や嫁ぎ先が実家から離れてしまうと、なかなか親に顔を出す機会も少なくなりがちです。そのため、「親が亡くなってから実家がものであふれていたことに気づく」というケースが増えています。また、団塊の世代といわれている1947年~1949年代の人たちが高齢世代に入る時期です。よって、その子どもたちが実家の片付け問題に直面しています。
1-2.なぜ発生するのか
実家の片付け問題が発生する原因は、家庭によってばらばらです。主に、よく見られる原因を以下にピックアップしてみました。
- 高齢になって体力がなくなり、片付けられなくなった
- 生前整理をしないまま亡くなるケースが増えている
- 核家族化がすすみ、高齢者の1人暮らしが増えた
- 団塊世代は「もったいない文化」で育っている
1-3.片付けられない親について
「もったいないから」「いつか使うかもしれないから」と、ゴミと判断できるものまで大事に保管している高齢者は多いものです。実際に、「片付けられない親といつもケンカになる」「言い争いになってしまって、結局片付けられていない」というケースをよく見かけます。高齢になると体力や頭で考える力が弱まり、ゴミをゴミだと判断できなくなるものです。そのため、子どもたちが代わりに処分していかなければなりません。
2.実家の片付けの必要性
不用品をためこんでいる空間は、さまざまなデメリットを生み出すものです。意欲的に片付けるためにも、片付けの必要性やタイミングなどについて詳しく説明します。
2-1.片付けの必要性
使わなくなったものやゴミはすべて要らないものです。次々と処分していかなければ、以下のようなデメリットが現れます。
- 家の中で転び、ケガをしてしまう
- 掃除しにくい環境となり不潔になる
- 家の中でものを失くしやすい
- 害虫が出やすい
- 換気がスムーズにできなくなり、湿気がこもりやすい
- ダニ・カビが増える
- 精神的にイライラしやすく短気になる
以上のように、生活環境だけでなく、精神的・身体的にも大きなデメリットが生まれます。
2-2.どんなときに片付けが必要か?
親が福祉施設に入居するとき・亡くなったとき・実家を売却する際が、家を片付けなければならない状況といえます。また、どうしてもゴミが増えると生活環境が悪くなり、最悪な状態になれば近隣住民とのトラブルも発生するものです。大事にならないうちに片付けをしなければなりません。親と一緒に住み始めるときも、片付けが必要でしょう。
2-3.始める時期・タイミングについて
片付けをしなければならないときこそ、片付けを始めるタイミングです。実家の片付けは早めにやるに越したことはありません。特に、賃貸物件の場合は、契約の関係上すぐに退去しなければ、家賃を支払わなければならなくなります。持ち家であったとしても、遺産相続が関係してくるため、早めに片付けをして手続きが必要です。「いつやるべきか」と考える前に実行しましょう。
2-4.遺品整理について
親が亡くなったときは、実家の片付けと同時に遺品整理も行わなければなりません。遺品整理を行う場合は、貴重品・アクセサリー・着物・ブランドものなど価値があるものとアルバムなどの思い出の品、不用なものにわけてください。できるだけ、ものを減らすことも遺品整理の大切なポイントです。
2-5.そのほか
遺品整理や実家の片付けをする場合は、人の手が必要です。家が広いほど、1人で片付けるのも時間と手間がかかるでしょう。都合が合えば、兄弟姉妹で協力するといいですよ。どうしても1人でしなければいけない場合は、業者に依頼する方法もあります。時間をかけるよりも、一気に片付けてしまったほうが負担も少なくなるでしょう。
3.実家の片付け方
それでは、実家の片付け方について説明します。実家の掃除に必要なものから、心構え、片付けのコツ・ポイント、NG行為をチェックしていきましょう。
3-1.実家の掃除に必要なもの
掃除を始めるためには、必要な道具を準備しなければなりません。最低限、用意しておきたいものは以下のとおりです。
- ゴミ袋(ダンボール箱)
- 掃除機
- ほうきとちりとり
- マスク・手袋
- 消臭剤
- 殺虫剤
不用品がたくさんある場合は、ゴミ袋とダンボール箱を多めに用意しておいたほうがいいでしょう。ホコリなどでのどを痛めない、ガラスの破片などでケガをしないためにも、マスク・手袋が必要です。
3-2.必要な心構え
途中で片付けを放棄しないこと・ゴミの分別をきちんと行うこと・要るものと要らないものをきちんとわけることを心がけておいてください。「最後までやり遂げる!」という気持ちで挑まなければ、中途半端に終わってしまいます。また、アルバムなどの思い出が出てくると、つい見入ってしまい、作業が中断することもあるのです。スムーズに片付け作業をするためには、感情を捨てて割り切ることも必要でしょう。
3-3.片付けのコツ・ポイント
スムーズに片付け作業をすすめるためにも、作業を始める前に計画を立てておきましょう。片付けを終わらせる日にちや場所ごとの作業日数など、具体的に決めたほうがすすめやすくなります。途中で作業計画表を確認して、すすんでいないようであれば立て直してください。また、「今日は台所を中心にする」など、特定の場所ごとに掃除をすることが大切です。
3-4.NG行為
家の中を片付けているときに、途中で預金通帳やへそくりなど、資産価値とみなされるものが見つかることもあります。つい自分のものにしてしまいがちですが、勝手に自分のものにしてはいけません。所有者が生存している場合は、所有者のものになります。また、遺品整理の際も親族同士できちんと話し合わなければなりません。相続人に伝えなければ、後でトラブルに発展する可能性があります。
4.実家の片付けの業者選び
自分の手で負えない状況になっている場合は、業者に依頼する方法があります。プロに頼んだほうがいい場合や頼むメリット・業者選びのポイントなどについて詳しく見ていきましょう。
4-1.プロに頼んだほうがいい場合
実家が不用品であふれかえっている・遺産整理をしなければならないけど実家が遠くてできないなどの場合は、プロに頼んだほうがスムーズに掃除できます。家の中が広く、不用品であふれかえっている場合は、どうしても時間と手間がかかるものです。また、親も自分も年老いている場合は体力にも限界があります。プロに依頼すれば、すぐに作業がすすめられるでしょう。
4-2.プロに頼むメリット
プロに依頼するメリットはたくさんあります。主に、挙げられるメリットを以下にまとめてみました。
- 自分たちで片付ける必要がない
- 手間と時間がかからない
- 客観的に要らないものと要るものが区別できる
- 片付けとゴミの処分が同時にできる
- 遠方にいても片付けができる
4-3.業者選びのポイント
遺品整理や不用品の処分を行っている業者は多数存在しています。その中から選ぶとなると、どの業者にすべきか悩むはずです。選べないときは、以下のポイントに注目してみてください。
- 不用品の買取も行っている
- 無料で見積もりをしてくれる
- 丁寧かつスピーディーな対応
- 家の片付けや遺品整理で豊富な経験・実績がある
- 作業計画をきちんと立ててくれる
- 古物商許可を取得している
- 即日対応が可能
- 夜間の回収や女性スタッフなどサービスが充実している
4-4.業者に頼むときのコツ
スムーズに作業をすすめるためには、業者に依頼するコツをつかんでおく必要があります。特に、注意してほしいのが、作業内容です。業者によってどこからどこまで作業してくれるのか、内容が異なります。依頼者と業者で作業内容の確認ミスが起きることもあるのです。作業ミスを少なくするためにも、作業範囲をきちんと確認しておきましょう。家庭によって予算があると思うので、予算内でどの範囲まで可能なのか、尋ねるといいですよ。
4-5.こんな業者に要注意
現在、悪徳業者との間でトラブルが多発しています。「回収後に不法投棄されていた」「見積もりとは違う料金を請求された」などのトラブルが多いのです。悪徳業者は、見積もり内容があまく不備な点が多い傾向があります。また、対応が悪いところも多いため、「怪しいな」と思った業者には依頼しないようにしてください。
5.実家の片付けにかんしてよくある質問
実家の片付けにかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。
5-1.親とケンカせずに片付けるコツとは?
年代が離れている親と子では、考え方も異なります。親の考えや意見も尊重しながら、ゆっくりとすすみながら片付けを始めてみてください。「捨てろ」「早く片付けて」「何でゴミを捨てないの」と、怒鳴るようなやり方はNGです。
5-2.遺品整理と遺産相続の関係性とは?
価値あるものすべてが遺産相続の対象物となります。そのため、遺品整理を行う場合は、きちんと遺産となるものの区別をしていかなければなりません。また、相続人同士で分割する義務が生じます。さらに、遺言書に遺産について記載されている場合は、内容を遵守しなければなりません。遺品整理を始める前に、遺言書があるかどうかもきちんと確認しましょう。
5-3.遺品整理の際、思い出の品が多いケースはどうすべきか?
アルバムや親が愛用していたものなど、思い出深いものがたくさんあると思います。しかし、全部を保管しておくことはできません。その中から要らないもの、要るものとわけていかなければならないのです。思い出の品が多すぎて困る場合は、すべて撮影して、写真として残す方法もあります。
5-4.買取可能な商品とは?
不用品処分にかかる費用を抑えたい方は、買取も行っている業者を選びましょう。買取できるものは、正常に稼働できるもの・壊れていないもの・価値あるもの・再利用できるものなどです。壊れているもの・使えないものは買取不可となる可能性が高いので気をつけてください。
5-5.業者との間でトラブルが起きた場合の対処法とは?
業者との間でトラブルになったときは、すぐに国民生活センターまたは消費者センターに相談してください。トラブルが時間が経過するほど、解決が難しくなります。1人で抱え込まずに、素直に相談したほうが身のためです。
まとめ
実家の片付けで悩んでいるのは、決してあなただけではありません。現在、多くの方が頭を悩ませている問題です。「いつか片付けなければならない」と思う期間が長くなるほど、実家が不用品であふれてしまいます。実家の片付け問題は、できる限り早めに解決してください。また、自分だけで片付けることもできますが、不用品の量が多いと1人では限界があります。第三者となる業者に依頼するのも方法の1つです。業者に依頼すれば、時間と手間をかけることなく、すぐに片付けられます。ただし、業者の中にも悪徳業者が存在しているので気をつけなければなりません。優良業者に依頼するためにも、業者選びのポイントや片付けのコツを押さえておきましょう。