消火器の処分方法は? 安全&簡単に処分するポイントを詳しく解説!
「古い消火器を処分したいけど、ゴミに出せるのだろうか」「消火器を安全に処分するためのポイントを知りたい」とお考えでしょうか? 使用期限が過ぎた消火器は、速やかに新しいものと交換して処分する必要があります。しかし、どんな方法で処分してよいのか、よく分かりませんよね。消火器は薬剤を使用しているので、安全面も気になることでしょう。
そこで今回は、消火器の処分について詳しく解説します。
この記事を読むことで、消火器を処分する方法や注意点がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。
1.消火器をゴミとして捨てられない理由
最初に、消火器をゴミとして捨てることができない理由について見ていきましょう。
1-1.消火器は一般廃棄物広域認定制度の対象品目
国内メーカー製の消火器は、一般廃棄物広域認定制度の対象品目であり、自治体回収にゴミとして出すことができません。消火器は粉末消火剤を使用しており危険物に該当するため、安全に処分する必要があるからです。なお、消火器は適切な方法によってリサイクルすることができます。消火器をリサイクルするときは、後述する「3.消火器はリサイクルすることができる」を参考にしてください。
1-2.エアゾール式消火具や海外メーカー製消火器は対象品目外
エアゾール式消火具や海外メーカー製消火器は、一般廃棄物広域認定制度の対象品目外となります。エアゾール式消火具は、各自治体の回収ルールに沿って、スプレー缶として不燃ゴミなどに出すことが可能です。海外製消火器は、自治体回収にゴミとして出すことも難しいので、後述する「2.消火器の処分方法」でご紹介する方法で処分することを検討してください。
2.消火器の処分方法
消火器を処分する方法を詳しく見ていきましょう。
2-1.販売業者に引き取ってもらう
買い替えを伴う場合は、販売業者に古い消火器を引き取ってもらうことがおすすめです。販売業者の多くが、新規購入者向けサービスとして不要になった消火器を引き取っています。ただし、サービスで引き取り可能な本数に制限がかかることがあるので注意してください。たとえば、2本購入に付き1本分の処分費用無料などです。サービス分を超えた本数を処分したいときは、いくらかかるのか販売業者に確認しておきましょう。
2-2.不用品回収業者に処分を依頼する
不要になった消火器は、不用品回収業者に依頼して処分してもらうこともできます。まずは、業者に連絡して見積もりをもらってから正式に依頼するとよいでしょう。回収費用は、場所と日時を指定して出張回収してもらう場合、数千円程度~が目安です。不用品回収業者なら、消火器以外の不用品も同時に処分してもらうこともできます。
2-3.買取に出す
不要になった消火器でも、条件によっては買取してもらえることがあります。
2-3-1.リサイクルショップに売る
不要になった消火器は、リサイクルショップで買取してもらえることがあります。買取を希望するときは、査定を受けてみてください。業者から提示された査定金額に納得できる場合は、消火器を引き渡して代金を受け取りましょう。なお、リサイクルショップは、多くの個人店で店頭持ち込みだけに対応していることから、自分で持ち込む手間がかかります。また、リサイクルショップは買取専門となるため、買取不可となった消火器は引き取り処分も依頼できません。
2-3-2.不用品回収業者に買取してもらう
不用品回収業者でも、不要になった消火器の買取をしているところがあります。まずは、消火器が買取対象か確認してから査定を依頼しましょう。買取可能で業者の提示金額に納得できる場合は、正式に買取を申し込んでください。なお、不用品回収業者に消火器の買取を依頼した場合、都合のよい日時・場所を指定して回収してもらえる、買取不可でも引き取り処分を依頼できることなどがメリットです。ただし、買取不可になった場合は回収費用がかかることがあるので確認しておいてください。
3.消火器はリサイクルすることができる
消火器をリサイクルする方法や手順を詳しく見ていきましょう。
3-1.消火器のリサイクルにはリサイクルシールが必要
消火器をリサイクルするには、リサイクルシールが必要になります。2010年1月以降に国内で製造販売されている消火器には、すべてリサイクルシールが付いているはずです。古い消火器でリサイクルシールが付いてない、有効期限が切れているといった場合は、新たなリサイクルシールを購入してください。リサイクルシールは、特定窓口(消火器販売店など)・指定引取場所(消火器メーカーの営業所など・消火器リサイクル推進センターなどで購入できます。
3-2.消火器をリサイクルする流れ
消火器をリサイクルする流れを3つの方法ごとに解説します。
3-2-1.特定窓口に引き取りを依頼する
消火器は、特定窓口に引き取りを依頼してリサイクルすることが可能です。特定窓口には、主に消火器の販売店や防災・防犯業者が指定されています。特定窓口は全国に約5,200か所あるので、近隣を探して依頼してください。なお、特定窓口に消火器の引き取りを依頼した場合、別途収集運搬費用がかかります。
3-2-2.特定窓口や指定引取場所に直接持ち込む
消火器を特定窓口や指定引取場所に直接持ち込み、リサイクルを依頼することも可能です。指定引取場所は、主に消火器メーカーの営業所や廃棄物処理業者が指定されており、全国に約210か所存在しています。なお、特定窓口に持ち込む場合は、別途保管費用がかかることがあるので確認してください。
3-2-3.ゆうパックで回収を依頼する
消火器は、ゆうパックを利用して回収を依頼することも可能です。ゆうパックでの回収を利用するには、ゆうパック専用コールセンター(0120-822-306)に電話する必要があります。より詳しい内容は、家庭用廃消火器 回収・リサイクル説明ページを参考にしてください。
4.消火器を処分するときの注意点
消火器を処分するときに注意するべきことを詳しく解説します。
4-1.中身を噴射して空にする必要はない
消火器を処分する場合、中身を噴射して空にする必要はありません。中身が入ったままの状態で処分してください。処分する前に使ってみたい、いざいというときの練習をしたい、という気持ちも分かりますが、やめておきましょう。特に、腐食や破損が見られる消火器は、噴射しようとすると破裂する可能性があるので危険です。
4-2.運搬時などに中身がもれないようにする
消火器を処分する際、運搬時などに中身がもれないように注意することも大切です。消火器に安全栓がある場合は、ストッパーが固定されるよう確実にセットしてください。安全栓がない場合は、ストッパーをビニールテープなどで固定しておきましょう。すでに中身がもれている消火器は、厚手のビニール袋やゴミ袋に入れた状態で運搬してください。
4-3.腐食・破損している消火器は販売業者などに相談する
万が一、消火器に腐食や破損が見られる場合は自己判断で処分せず、販売業者などに相談してください。長年放置した消火器などで、腐食や破損が見られるものは。衝撃が加わると破裂し思わぬケガをすることがあります。むやみにレバーを引いてみたり、元の設置場所から移動させたりすることはやめましょう。
5.消火器の処分に関するよくある質問
最後に、消火器の処分に関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。
Q.消火器の耐用年数は?
A.家庭用消火器の耐用年数は5年程度です。耐用年数を経過した消火器は、性能が劣化して正常に使えない恐れが高いため、速やかに処分してください。
Q.消火器を消防署に引き取ってもらうことはできる?
A.できません。消防署は、消火器の正しい使い方を指導してもらえるなどにとどまります。そのほかの方法で処分・リサイクル・買取などを検討してください。
Q.ゆうパックでリサイクルのための回収を依頼できる消火器に制限はある?
A.ゆうパックでのリサイクル回収依頼は、 薬剤量3kg以下または3L以下の消火器が対象です。大量の消火器を処分したい場合などは、特定窓口に引き取りを依頼するなどの方法を検討してください。
Q.回収後の消火器はどんなふうにリサイクルされる?
A.リサイクル工場において分別・選別後、再資源化されて新たな製品の原料として有効活用されます。
Q.買取してもらえる消火器の条件は?
A.以下を参考にしてください。
- 有名国内メーカー品
- 未使用品
- 腐食や破損がない
- 有効期限まで余裕がある
なお、業者によっても査定基準が異なります。より詳しい内容は、業者に確認してみてください。
まとめ
今回は、消火器の処分について詳しく解説しました。消火器は一般廃棄物広域認定制度の対象品目となるため、自治体回収にゴミとして出すことができません。不要になった消火器は、販売業者に引き取りを依頼する、リサイクルに出す、買取に出す、不用品回収業者に回収してもらうなどの方法で処分できます。なお、消火器を処分する際は、中身が飛び出さないように注意し、安全に運搬できるように準備しておきましょう。腐食や破損が見られるものは破裂する恐れがあるため、自己判断せずに販売業者などに相談してから回収してもらうことをおすすめします。