濃度計の原理や種類とは?私たちの身近でも使われているのです。
濃度計とは、液体や気体に含まれている含有物や浮遊物の濃度を測定する機械です。
糖度計や塩分濃度計、酸素濃度計などの種類があります。
そこで、今回は濃度計の原理や種類をご紹介しましょう。
濃度計で計測できるものはたくさんあります。
だからこそ、用途に合わせた機材を選ぶことが、正確な測定結果につながるでしょう。
濃度計を新しく購入したいという方や濃度計を仕事に役立てたいという方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてください。
1.濃度計で計測できることとは?
濃度計とは、前述したように液体や気体に含まれている物体の濃度を測定する機械です。
私たちの身近にある濃度計だけでも、塩分濃度計、糖度計、酸素濃度計などがあります。
濃度計はこのほかにもガスの成分や水溶液の成分を測定できるものもあるのです。
また、固体でも「どのくらいの水分が含まれているか」ということを測定するために、濃度計が使われることも多いでしょう。
さらに、濃度計は色の濃さを測定することも可能です。
たとえば、写真を現像するときに、色合いを変えれば同じ風景でもまるっきり違って見えるでしょう。
しかし、自分が考えている色合いを感覚的に第三者に伝えるのは、とても難しいのです。
そこで、濃度計を使って色合いの濃さを数値化することに、調整が容易にできるようになります。
印刷会社や出版社などでも、濃度計は活躍しているのです。
2.濃度計の原理や種類とは?
この項では、濃度計の原理や種類をご紹介します。
測定したいものによって、濃度計の種類を変えることも大切です。
2-1.濃度計の原理とは?
濃度計は、液体や気体の電気伝導率、光の屈折率、音速の伝わり方などによって濃度を測定するのです。
混じりっ気のない気体や液体に比べて、複数の物質が混じった気体や液体は、光の屈折率や電気伝導率が変わってきます。
その数値を比べることにより、濃度を計算するのです。
また、物質の一部を試液として取りだし、水分が蒸発するまでの時間を調べます。
そうすることにより、物質の中に水がどのくらい含まれているか知ることが可能になるのです。
このように、濃度計の原理はひとつではありません。
2-2.濃度計の種類とは?
濃度計の種類には、大きく分けて超音波式、フィルタータイプ、分光タイプ、電気伝導率タイプなどがあります。
超音波タイプとは、測定したい液体や気体の中に超音波を発し、伝達時間で濃度を測るのです。
フィルタータイプや分光タイプは、光源を測定したい物質に充てて、そこから反射してきた光の反射強度を測定して濃度を測定するもの。
さらに、電気伝導率タイプは、文字どおり電気伝導率を測定することによって濃度を計測します。
フィルタータイプや分光タイプは色の濃度を測定するために、印刷会社で使われることが多いでしょう。
また、電気伝導率タイプは塩分濃度計として使われています。
そして、甘みを測る糖度計は光の屈折を利用して糖度を計測するのです。
3.濃度計の選び方とは?
では、濃度計を選ぶには何を基準にすればよいのでしょうか?
この項では、濃度計の正しい選び方についてご紹介します。
3-1.測定したいものを決める
前述したように、濃度計は測定したいものによって細かく種類が分かれています。
糖度計、塩分濃度計、水分計など特定の用途に特化した濃度計もあるので、まずは測定したいものをはっきりさせてから濃度計を選びましょう。
3-2.計測する環境も考える
濃度計は、持ち運びがしやすい小型のものが多いです。
糖度計も塩分濃度計もポケットに入るくらいの大きさ。
しかし、その反面計測したものを自動でパソコンに記録するといった機能はついていません。
また、温度によって伝導率などが変化する液体などを計測する場合は、必ず室内で測定しなければ正確なデータは得られないでしょう。
一方、色の濃度を測定する濃度計は、測定結果をパソコンでグラフ化することにより測定値が分かりやすくなるものもあります。
ですから、どこで計測したいのかによっても装置の選び方は変わってくるでしょう。
3-3.価格で選ぶ
濃度計に限らず、測定器はより正確に細かく数値を測定できるものほど、価格は高くなる傾向にあります。
そのため、どのくらいの精密さで測定をしたいかということも、濃度計を選ぶ基準になるでしょう。
たとえば、複数の物質を混ぜ合わせた液体や気体を製品として出荷する場合、むらがあっては困ります。
ですから、正確に測定できる濃度計を使って品質の安定を測るのです。
逆に、「どのくらい甘いのか目安を知りたい」「おみそ汁やスープの塩分濃度を測り、健康に影響がないか知りたい」という場合は、厳密な数値を出す必要がないでしょう。
また、糖度計や塩分濃度計は数が必要な場合もあります。
ですから、あまり高価なものよりも持ち運びできる安価なものの方が、使いやすいでしょう。
しかし、「環境の状態を確かめるために、空気の成分を調べたい」という場合は、持ち運びができる器具であっても厳密に測定できる機器でないと意味がありません。
そのため、ある程度の価格のものを選びましょう。
4.濃度計の中古市場について
濃度計に限らず、測定機器は中古市場も活発です。
測定機器は年々進歩していますが、それでも仕組みや原理は変わりません。
パソコンに直結できないとか、最新式の測定器に比べるとかさ張ったり重かったりする、というデメリットがあるものもありますが、古いものでも問題なく使えるでしょう。
また、高価な測定器ほど丁寧にあつかわれて劣化も少ないので、高価な濃度計も中古品が市場に出回っています。
ですから、高価な濃度計が欲しいけれども予算が足りないという場合は、中古市場にも目を向けてみてください。
年式は多少古くても、お手ごろ価格のものが手に入る可能性があります。
さらに、高価な濃度計が不要になったという場合は、専門の業者に買い取りができないか打診をしてみましょう。
状態によっては、一定の価格で引き取ってくれます。
そうすれば、新しい濃度計を買う資金の足しにもなるでしょう。
ただし、ポケット濃度計などは衛生面から見てもあまり中古は好まれない傾向にあります。
ですから、買い取れる濃度計と買い取ってもらえない濃度計をあらかじめ確認してから、問い合わせをしてください。
高価で厳密に値が測定できるものであれば、ほぼ間違いなく買い取ってもらえるでしょう。
5.おわりに
いかがでしたか?
今回は、濃度計の種類や原理についてご紹介しました。
原理だけを見ても、濃度計の種類の豊富さをご理解いただけたと思います。
また、濃度計は特定のものを測るのに特化したものが多いので、測定する物質が多いほど濃度計自体も増えていく、ということもあるでしょう。
ですから、高価な濃度計を1台買うよりも、測定する物質に合わせて安価な濃度計を複数買った方が便利ということもあるのです。
また、濃度計は、測定部分を直接試液につけたり、試液をたらしたりすることも珍しくありません。
その分汚れやすいので、使い終わった後は丁寧にクリーニングしましょう。
さらに、いくら持ち運びが簡単な濃度計でも、むき出しのままポケットに入れたりすればすぐに壊れてしまいます。
持ち歩く場合は専門のケースに入れて持ち運んでください。
そうすれば、長持ちするでしょう。