膜厚計の購入を考えている方必見!その原理や種類とは?
膜厚計とは、塗装面の厚さを測定する機器です。
「なぜ、塗装の厚さを図る必要があるの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、塗装の厚さが適していないと劣化の原因になります。
そこで、今回は膜厚計の原理や種類、さらに選び方などをご紹介しましょう。
膜厚計を必要としている職場は案外多く、膜厚計の種類も複数あります。
そのため、選び方を間違えると使いにくくなってしまうのです。
この記事を読めば膜厚計の選び方やレンタル市場、中古市場のことも分かりますよ。
膜厚計の購入を考えている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.膜厚計とは?
膜厚計とは、前述したように物体に塗られた塗料の厚さを測定する計器です。
塗料はとは、単に物体に色をつけるだけではありません。
防水・防汚・断熱とさまざまな効果のある塗料が、現在では開発されています。
このような特別な効果のある塗料が効力を発揮するためには、一定の厚みで塗らなければなりません。
しかし、むやみに厚塗りをすればよいというわけでもないのです。
塗装を厚く塗りすぎるとひび割れや剥離の原因になります。
そのため、適正な厚みに塗料を塗ることが大切で、検査も必要です。
その検査に使われものが膜厚計になります。
膜厚計は携帯型から小型卓上タイプ、さらに生産ラインタイプまで複数の種類があるのです。
その原理は種類によっても異なります。
ではいったいどのような種類があるのでしょうか?
それを次の項でご紹介します。
2.膜厚計の種類とそれぞれの原理とは?
では、膜厚計にはどのような種類があるのでしょうか?
この項では、その種類と測定の原理をご紹介します。選ぶ際の参考にしてください。
2-1.分光干渉式膜厚測定器
広波長帯域の光を対象物に照射し、塗料の表面で反射した光の干渉強度スペクトルを基に膜厚を測定します。
この測定器の特徴は、複数の塗料が使われていた場合でも、各塗料の境界面で反射した光を干渉させることによって各膜厚の測定が可能ということです。
たとえば、家の外壁や車の塗料などは何重にも塗り重ねられているので、この測定器のように各塗料別の厚さが分かるものが望ましいでしょう。
2-2.電磁膜厚計
電磁膜厚計は、測定対象にブローブを密着させて磁石の「引っ張る力」の力で変化する磁束密度と電磁石を流れる電流量の変化から、膜厚を測定します。
この測定器は、金属の母材にコーティング・ライニングされた膜の圧を計るのに適しているのです。
金属の母材に塗料を塗るというと、自動車が真っ先に思い浮かびますが、そのほかにも建築物も金属の母材は少なくありません。
ただし、電磁膜厚計は塗料の中に磁気を帯びているものがあると正確な測定値が出ないのです。
ですから、メッキ、ペイント、樹脂膜などの塗料が塗られている物体に使用しましょう。
2-3.赤外線膜厚計
赤外線を対象物に照射して光の透過や反射を分光することにより、得られるスペクトルを基に膜厚を測定します。
赤外線は特定の物質に当たると吸収される性質があるのです。
それを利用して吸収率を測定し、塗膜の厚さを計算します。
2-4.超音波膜厚計
超音波膜厚計は、超音波を発射し、塗料を通過して下地に届き、そこから反射してくるまでの時間を基に塗膜の厚さを計測します。
ソナーと同じ原理ですね。
測定対象の音速は材質ごとにおおよその値が定められており、その値に基づいて計算が行われます。
しかし、材質が同じでも、種類が異なると音速に差異が出てくるでしょう。
そのため、あらかじめ材質と種類を調べておき、調整が必要になるのです。
3.膜厚計の使い道や校正の方法とは?
膜厚計は主に「非破壊検査」の現場で使われます。非破壊検査とは文字どおり物質を破壊せずに検査をする方法です。
塗料の厚さを調べたいとき一番簡単な方法は、塗料の一部を削って調べる方法になります。
しかしそれでは、物質に傷がつきますし、塗料が剥がれたところからさびなどが発生することもあるでしょう。
そのため、塗料を削らずに検査できる膜厚計はとても便利なのです。
また、校正とは超音波膜厚計のところで少し説明しましたが、素材の種類ごとに音速に差が出るでしょう。
これを正しい値に調整することが「校正」です。
また、膜厚計は使っているうちに劣化して、正しい値が出にくくなります。
これも「校正」することにより、また正確な数値が測れるようになるのです。
この「校正」は、専門の業者もいますが、メーカーで行ってくれるところもあります。
4.膜厚計を購入するときのポイント
では、膜厚計を購入する場合は、どのような点に気をつければよいのでしょうか?
この項で、詳しくご紹介していきます。
前述したように膜厚計は種類も多く、それぞれ測定原理も異なるのです。
ですから、何を測るかによって適した膜厚計がちがいます。
4-1.膜厚計を作っているメーカーとは?
膜厚計は、測定機器を製造・販売しているメーカーが取り扱っていることが多いです。
「3次元測定器」「非破壊検機器」などを取り扱っている業者でも扱っていることがあります。
すでに企業が何らかの測定器を使っている場合は、そこで膜厚計を取り扱っていないかどうか尋ねてみましょう。
同じ業者から購入したりレンタルしたりできれば、管理も簡単になります。
4-2.膜厚計の値段はどのくらい?
膜厚計の値段は、種類と大きさによって異なります。小型より大型のものの方が、そしてより精密な測定ができる方が高価です。
膜厚計の価格は数万円~数十万円と幅が広く、平均価格は10万円前後になっています。
そのため、持ち運べる携帯型でも複数そろえるのはなかなか難しい、という企業も少なくないでしょう。
4-3.膜厚計の選び方
膜厚計は種類によって測定できるものやできにくいものがはっきりしています。
そのため、まずどんなものを測定するのか明確にしておきましょう。
膜厚計を選ぶのはそれからでも十分です。
どれを選んだらよいか分からない場合は、業者に尋ねましょう。
アドバイスをしてくれるはずです。
5.膜厚計のレンタル・中古市場とは
膜厚計は高価ですから、レンタルや中古の売買も盛んです。
レンタルは専門の業者が行っていることもありますし。製造・販売している会社が行っていることもあるでしょう。
年単位でレンタルできるものもあります。
レンタルをし続けて、最後は買い取りという形態もあるので、詳しいことは業者に尋ねてみてください。
レンタルのメリットは、常に業者が調整をしてくれることです。
また、月々のレンタル料が用意できれば、分割払いで膜厚気を購入するより安くつくでしょう。
さらに、中古の膜厚計は新品よりも安く購入できます。
専門の業者からもインターネットオークションなどからも購入できますが、業者からの方が、調整が済んででいるので状態がよいでしょう。
また、不用になった膜厚計も売却できます。新しかったり調整済みだったりする方が高く売却できるので、日頃からこまめに手入れをしておきましょう。
6.膜厚計に関するよくある質問
Q.膜厚計は携帯型と据え置き型とどちらが使いやすいでしょうか?
A.測定するものによります。屋外で検査をする場合は携帯型の方が使いやすいでしょう。
Q.インターネットショッピングで膜厚計を購入しても大丈夫ですか?
A.新品なら問題はありません。ただし、アフターケアがどうなっているのか確認を忘れずに。
Q.膜厚計を取り扱う際の注意点はありますか?
A.丁寧に扱うことが第一です。また、ブローブをはじめとする測定する部分は壊れやすいので注意しましょう。
Q.膜厚計を買い替えたいのですが、注意点はありますか?
A.同じメーカーのものを購入した方が、使い勝手がよいでしょう。また、割引なども聞きやすいです。
Q.膜厚計は国産のものの方がやはり正確でしょうか?
A.中国や東南アジア製のものよりも国産の方が精度は高いです。
まとめ
いかがでしたか?今回は、膜厚計についてご紹介しました。
建築会社や塗装業者、さらに塗料メーカーなど使われているところは意外と多い測定器です。
購入する際はレンタルや中古も視野に入れて探すとよいでしょう。