周波数カウンタの使い方とは?購入やリサイクル、中古品について
聞きたいラジオがあるとき、周波数を合わせますよね。そもそも、周波数とは交流・光・電波などが1秒間にくり返す振動数を指しているものです。電気が流れている場所では必ず一緒に周波数が出ています。その周波数を数値化するのが「周波数カウンタ」です。周波数カウンタの購入や処分に悩んでいる方は、まず、基礎知識を把握しておかなければなりません。目的のものを購入し、古いものを正しく処分するためにも、周波数カウンタの基礎知識や種類・購入・リサイクル方法について理解しておきましょう。
この記事を読むことで、周波数カウンタをスムーズに購入・処分するために必要な情報が入手できます。周波数カウンタについて知りたい方や購入・処分を考えている方は要チェックです。
1.周波数カウンタの基礎知識
周波数カウンタを正しく操作するためには、基礎知識を知ることが大切です。これから、構造や原理・目的・必要性など詳しく説明しましょう。
1-1.周波数カウンタとは
周波数カウンタは測定機器の一種です。周波数の単位はヘルツ(Hz)で表示され、60ヘルツは交流の波が1秒間に60回くり返している証拠になります。電気には直流と交流があり、交流は規則正しく大きくなったり小さくなったりするものです。無線局がまだ少なかった数十年前は、周波数許容偏差の規制が緩かったためアナログ式周波数測定器でも十分に周波数が計測できました。しかし、無線通信の利用が増えた現在は電波法の規制も厳しくなり、周波数カウンタの性能が高くなければ正確な数値がつかめなくなっているのです。つまり、周波数カウンタは発生している電波がズレていないか、どのくらいの周波数なのか、数値として知ることができます。
1-2.周波数カウンタの構造と原理
周波数カウンタは数種類の回路と水晶発振器で構成されています。主な回路は、増幅回路・波形成形回路・パルス変換回路・分周回路・制御回路・計数回路です。それぞれの特徴を以下にまとめてみました。
- 増幅回路:信号エネルギーを増幅させるための電子回路
- 波形整形回路:波形の一部を切り取り、残った部分を出力する回路
- パルス変換回路:パルス信号を発生させ、波形を取り扱いやすい形に成形する回路
- 分周回路:高井周波数を低周波に変換する回路
- 制御回路:機械設備の動作や順序を記憶し、機械動作の命令を出す回路
- 計数回路:各種の自動制御や計測システムなど重要な基本構成要素
入力した電気信号を波形整形回路や変換回路で増幅・整形した後、計数回路で単位時間当たりの周波数を測定します。そして、その値が液晶やLEDの表示器に表示される原理です。計数回路による精度がそのまま計測に影響するため、水晶振動子を使った発振回路によって計測時間を制御しています。
1-3.周波数カウンタの目的と用途
電波法の規制が厳しくなっている今、無線通信機などは用途やユーザーごとに周波数帯や周波数チャンネルが細かく決まっています。スムーズに電波を受信するためにも、周波数の把握は大切なことです。また、オーディオセットやラジオの修理・調整にも周波数カウンタが使われます。周波数が正しくキャッチできているか確認できるのです。また、盗聴器発見器として使うケースもあります。
1-4.周波数カウンタの必要性
正しい周波数が流れているか、異常な周波数が紛れこんでいないかなど調べるために周波数カウンタは必要です。周波数が数字で表示されるため、状況が把握しやすくなるでしょう。たとえば、携帯電話を使うとき、音声や文字を電気信号に変えて周波数に乗せて送っています。周波数を計画的に有効活用するためにも把握しておかなければなりません。
2.周波数カウンタの種類について
現在、さまざまな種類の周波数カウンタが登場しています。一体どのようなものがあるのか、見ていきましょう。
2-1.サイズ
小型や大型など幅広いサイズが登場しています。最近では、気軽に持ち運んで測定できるハンドタイプも登場しました。ほとんどの周波数カウンタは卓上型ですが、小型簡易タイプはさまざまな場所で自由に測定できるのが魅力です。測定場所によっては大活躍するでしょう。
2-2.機能
機能による違いもあります。中にはデジタル機器用の近距離無線通信であるBluetooth機能がついている種類もあるのです。Bluetoothがついていると、ワイヤレスで通信が可能になります。また、自動校正機能がついている多機能型やマルチメーターもあるので、どのような機能がついているのか要チェックです。
3.周波数カウンタを購入する前に知るべきこと
周波数カウンタを購入する前に、知っておかなければならないことがあります。主な使い方や手順・平均価格・注意点などチェックしてください。きちんと知識を習得しておけば、目的に合ったものを選び上手に使うことができます。
3-1.主な使い方と手順
デジタル式の周波数カウンタは初心者でも扱いやすい操作です。まず、ファンクションをヘルツ(Hz)にして測定対象の信号源とつなぎます。赤のテストプロープを「VΩHz」に、黒のテストプロープを「COM」に差しこんでください。そして、測定リードを信号源に接続すれば周波数が表示されます。具体的な使い方は種類やメーカーによって異なるでしょう。使用前に必ず取扱説明書を一読してください。
3-2.メーカーについて
周波数カウンタのメーカーといえば、キーサイト・テクノロジー、アンリツ、テクトロニクス、エー・アンド・デイなどが挙げられます。中でも特に有名なメーカーがテクトロニクスです。測定器・計測器を中心に扱っているメーカーであり、校正・修理サービスなども充実しています。周波数カウンタ以外にも、オシロスコープやアナライザなどの種類も多く取り扱っているのです。メーカーによって特徴も異なるため、さまざまな商品を比較するといいでしょう。比較することで使用目的に合った種類が見つかります。
3-3.平均価格
新しい周波数カウンタを購入する際、気になるのが価格ですよね。平均価格は、簡易的なもので5000円~、本格的なものになるとおよそ数万円かかります。およそ4万~6万円が妥当な値段でしょう。また、計測可能な周波数の範囲が広いほど価格も高くなる傾向があります。小型や簡易タイプは周波数範囲が狭いのが特徴的です。
3-4.耐用年数
使用頻度や環境にもよりますが、周波数カウンタなどの測定器の耐用年数はおよそ5年といわれています。精密機器でもあるため、扱い方が雑だと1~2年で壊れる可能性もあるでしょう。長く使い続けるためにも、正しい使い方を心がけなければなりません。また、寿命が近づいてくると正確な数値が測定できなくなるのです。
3-5.注意点
購入する前に必ず確認してほしいのが周波数範囲です。周波数カウンタはすべての周波数が表示できるわけではありません。機器の種類によってキャッチできる周波数の範囲が決まっています。どの程度まで測定できるのか、チェックしておく必要があるでしょう。
4.周波数カウンタの購入・リサイクルについて
周波数カウンタを購入する際、どの商品を選べばいいのか悩みますよね。また、処分時もどうやって捨てるべきか頭を抱えるものです。スムーズに購入・処分ができるように、必要な知識を習得しておきましょう。
4-1.商品選びのポイント
何のために周波数カウンタを使うのか、どこで使用するのか目的と使用場所をハッキリさせておきましょう。より正確な数値を知りたいのなら、精度が高く、実績のあるメーカーを選んだほうがいいですよ。実際に使った人の感想・口コミもチェックしておけば、失敗を防ぐことができます。また、さまざまな種類を比較することも大切です。比較することでどの機能が自分の目的に最適か判断できますよ。どうしても迷った場合は、メーカーのスタッフや販売店のスタッフに相談してみてください。
4-2.購入場所
メーカーや測定器などを扱っている店舗で購入できます。街中で探してみると、測定器を取り扱っているお店が見つかるものです。また、インターネットで購入するのも1つの方法でしょう。インターネットは幅広い種類の中から選ぶことができます。ただし、実際に手に取ることができないため、きちんと詳細を確認しなければなりません。
4-3.中古品について
測定器の買い取りをおこなっている業者は、ほとんどが中古品を販売しています。中古品=状態が悪いと思う方は多いでしょう。しかし、中古品を多く取り扱っている業者ほどいい状態のものがそろっています。中には新品状態に近いものや未使用のものもあるため、掘り出しものが見つかる可能性もあるのです。実際、中古業界の需要は高くなりつつあります。安く手に入れたい方は中古品を検討してみてはいかがでしょうか。
4-4.リサイクル業者について
精密機器の中には、ほかの製品を生み出すために必要な部品が含まれているものです。たとえ、壊れていても分解すれば有用資源の再利用ができます。部品のリサイクルは地球にやさしい取り組みです。要らなくなった測定器を買い取り、リサイクルしている業者があります。処分で困っている方は、ぜひリサイクル業者を利用してみてください
4-5.買い取りについて
買い取りの場合、正常に稼働するかどうかがポイントです。壊れているものや製造月日から何十年も経過しているものは買取額がつかないケースもあります。買い取ってもらえるかわからない場合は、1度査定に出してみてください。買取額は販売価格のおよそ5%~10%でしょう。
4-6.高額査定のポイント
周波数カウンタを高く売るポイントがあります。高価買い取りを目指している方は、ぜひ以下のポイントに注目してください。
- 周波数カウンタの外装をキレイに掃除する
- 取扱説明書などの付属品をそろえる
- メーカーや使用年数・製造番号などをきちんと伝える
- ほかの測定器も一緒に査定に出す
4-7.業者選びのポイント
スムーズに購入・処分ができるかは業者選びにかかっているといえます。業者の中には不適切な金額で買い取りをしたり、不法投棄をしたりという悪徳業者も存在しているのです。自分に合ったものを購入し、正しく処分するためにも業者選びのポイントを押さえておきましょう。
- 中古測定器の取扱量が多い
- 丁寧かつスピーディーな対応
- 周波数カウンタについて詳しい
- ホームページに住所・電話番号(固定番号)が記載されている
- 古物商許可を取得している
4-8.レンタルについて
一定期間の使用であればレンタルを検討するのも1つの選択肢です。周波数カウンタのレンタルサービスをおこなっているメーカーはあります。レンタル料金は期間や使用する機器によって異なるため、総合費用を必ず確認しておきましょう。ケースによっては、中古品購入のほうがコストを抑えられる可能性もあります。
4-9.注意点
業者に依頼する前に、見積もりや査定額をしっかり確認しておいてください。見積もりに不備があったり、適切でなかったりしている業者は信用できません。早く処分・購入したいからと1社だけにしぼっていては、失敗するでしょう。複数の業者を比較することで目的に合った種類が購入でき、スムーズに処分できます。
5.周波数カウンタにかんしてよくある質問
周波数カウンタにかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。
5-1.送信周波数と受信周波数とは?
無線装置の周波数には送信周波数と受信周波数があります。電波法で規定されているのは送信周波数だけであり、無線局によって周波数帯が決まっているのです。通信するためには送信・受信周波数が合致しなければならないため、ここでも周波数カウンタが活躍します。
5-2.1カウント誤差とは?
周波数カウンタを使っていると、1カウント誤差が出てきます。1カウント誤差は被測定信号とカウンタ内部のクロックの位相差による測定値のばらつきです。入力信号と内部にある水晶発振器内部のクロックは、決して位相差が一定とは限りません。そのため、1カウント誤差が出てくるのです。
5-3.誤差をなくすためのポイントとは?
誤差をなくすためには、信頼できる測定器を使うことが1番です。また、周波数カウンターを正しく使うことも大切なポイントといえます。デジタルの周波数カウンタはプラスとマイナスどちらにカウントが転ぶかわかりません。数回測定するのも正確な数値を知るきっかけになるでしょう。
5-4.マイクロ波周波数カウンタとは?
衛星通信や電話回線のマイクロ波を用いる研究などさまざまな場所で重宝されています。40ギガヘルツまでの周波数を正確に測定できるカウンタです。マイクロ波の周波数を測定したいときは、ぜひ利用してください。
5-5.表示数値の変化が激しいときの対処法について
表示される下位の桁が著しく変動する場合、桁数削減機能を活用してください。ほとんどの場合、桁数削減機能を使えば改善できるでしょう。また、リミット・テストも1つの方法です。ビジュアル・インジケーターという機能がついているタイプならリミット・テストができます。
まとめ
いかがでしたか? 周波数カウンタは周波数を正確に測定できる測定器です。周波数が知りたいときや通信状況を把握したいときなどに活躍するでしょう。周波数にも方式やサイズとさまざまな種類があるため、いろいろな商品とメーカーを比較して選んでみてください。比較することで目的に合った種類を選ぶことができます。また、処分する場合もできるだけリサイクルにまわしましょう。